昨今、企業や自治体では性的マイノリティであるLGBTQの方への支援として、業務上の支障がある場合を除き、各種書類の性別欄の削除等の見直しが進められています。
一方で、特に大きな組織ほどなかなか前進できないといった状況も生じているのではないかと思います。
ここでは、性別欄の見直し方針の案と社内への周知方法について考えてみたいと思います。
大企業等における課題
以下のような課題が生じているのではないでしょうか。
- お客さまが扱う(性別欄のある)画面や帳票類の数が膨大である
- 全体を取りまとめる会社のダイバーシティ担当は対応するための開発予算をもっていない
- さまざまな事情を持つ各システムの担当部署が多岐にわたり、なかなか統制がとれない など
このような課題への対応方法
このような課題がある場合、たくさんの部署を持つ大企業等で具体的な前進を見せることが難しいと考えられます。
このようなときは、各システムの担当部署に対応内容・時期に関する一定権限を渡す対応方針を策定・周知する対応が有効と考えられます。
対応方針(骨子)
各システムを所管する部署の現場事情も考慮し、対応方針の骨子を考えてみました。
性別欄(男・女)に「その他」を加えるといった選択肢も考えられますが、「その他」を選択いただく行為自体が別の議論を呼び起こすため、ここでは論点としません。また、業務上支障が生じる場合は見直し対象外の前提としています。
企業として確実にダイバーシティ取り組みを1歩ずつ前進させる趣旨から以下のとおりとする。
- お客さまが利用する画面・帳票上の「性別」欄は、削除(第一優先)または 任意項目(第二優先)とする。
- 削除(第一優先)が経済合理性の観点で採れない場合(追加コストが生じてしまう等の場合)は、任意項目(第二優先)とすることとし、見出しの「性別」はスペースの観点から文章追加はせず「性別(任意)」とする。
- 任意項目(第二優先)の場合は、見出しのみの修正とし、「その他」等のシステム上の内部値を追加する対応とはしない。
- 対応タイミングは、当該画面・帳票に次回変更が入るときに、合わせて対応する。
- もう変更予定のない販売停止商品・サービスなど優先度が低い画面・帳票は、本件のためだけのシステム改修は不要とする。
- 上記の取り組み趣旨に鑑み、対応内容・対応時期の判断は、各システム担当部署にて決定する。
まとめ
このように企業として大きなコストはかけられないが、確実に前進させていく取り組みが必要な課題については、上記のように取りまとめ担当が現実路線の対応方針を示し、各現場(領域担当部署)に一定権限を渡すといったマネジメントを先行させることが求められると考えられます。
各企業の状況に応じ、適宜カスタマイズするなどご検討いただければと思います。

