昨今、多様な働き方といった潮流とリンクして「自律的なキャリア形成」とか「人生100年時代の○○」といった企業の取り組みをよく目にするようになってきました。
ここでは、会社が従業員に対し、一律的に資格取得や副業チャレンジなどをはじめとした「自律的なキャリア形成」を強く促すべきかについて考えてみたいと思います。
会社側のメリット
会社が「自律的なキャリア形成」を促す意図としては、従業員のスキル向上等による組織への貢献レベルの向上を期待することや、そのような制度設計を導入していること自体を対外的にもPRできることなどのメリットがあると考えられます。
当然、終身雇用の時代からの社会変化とも関連していますが、会社が多大な投資をしている従業員に対して、組織への貢献や成果を求めることは当然の動きであり、本質的には新しい考え方ではありません。
従業員の目線
従業員も、会社が従業員に求める「当然のこと」をきちんと理解をし、会社に促されるか否かによらず、少しでも付加価値の高い人材になれるよう自発的に取り組むことが、自身の働きがいにもつながり、自身を守ることにもつながると思います。

ただし、会社から「~スキルアップ研修」「~制度」「~カウンセリング」といった個々の施策を定型的かつ表面的な文章表現のようなもので強く促されることに違和感を持たれている方も多いのではないでしょうか。
そもそも個人がスキルアップや知識習得に取り組むことや新しいことにチャレンジすることは自らの意思による自律的なものであるべきだからです。
会社は「自律的なキャリア形成」を強く促すべきか
従業員は、業務で関わる様々な人とのコミュニケーション体験から、自らが率先して目指す人材像をイメージすることから、会社から「強く」「一律的に(定型的に)」自律的なキャリア形成を促すメッセージが発信されることは逆効果となる場合があると考えています。
わかりやすくするため、敢えて意識が高い人材とそうではない人材という言葉を使うと・・
- 意識が高い人材は、会社の意図を汲み、自ら必要なスキル習得等に取り組み続けるため、強く促される必要がない
- そうではない人材は、会社の推進自体を空虚なものと捉え、会社の狙いとは逆に、いかに会社にしがみ続けるかといった別のことを考えることに流れてしまう など
といったことが起こる可能性があると考えています。
上記より、会社は目指す方向性を示すことに特化、「各自の特性に合ったキャリア形成」の推進は各職場マネジメント(人間同士の具体的な対話の世界)に任せるスタンスを明確にした方が、最も重要となる納得感が増し、合理的に物事が進むのではないかと考えます。
やはり、自身の知識やスキルを高める行動が日常的な習慣となり、学習とも思わない状態がベストですね。

